士業事務所のweb担当が学んだこと

税理士事務所に勤めるウェブ担当者が日々の業務で学んだノウハウを公開するブログです。士業事務所の集客に使えるマーケティングやウェブ制作のノウハウを実際に中で働いているからこそ分かる視点を交えてお伝えします。

士業の専門分野と保険の組合せでお客さまに提案できること

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 流通小売業にはお客の生活スタイルから品揃えをするための理論があります。それにならって考えると士業が提供できるサービスってじつは色いろあるのでは...。今回は保険を使ってできる提案について考えてみました。

お客さまの立場から考えたサービスの提供

 

流通小売業には、業種と業態という考え方があります。

 

業種というのは、単一品種の商品を揃えた商店のことです。

 

花屋ならチューリップやカーネーションを集めて売っている業種店で、ケーキ屋ならショートケーキやチーズケーキ等のケーキを揃えた業種店です。

 

それに対して業態店は、お客の生活スタイルに合わせて品揃えをします。

 

花屋ではなくギフトを送りたい時にあると助かるものがすべて揃ったお店。もしくは、花だけでなく野菜などその他の植物、それを植える鉢、土、庭を造成するための機械類を取り扱っているお店。

 

ケーキ屋ではなく、お祝い事をする時に必要な物がすべて揃ったお店。もしくは世界中のスイーツを取り扱っているお店。

 

こんな感じで、お客の生活スタイルや買い求めるときのシチュエーションに合わせた品揃えをしたお店のことです。

 

生活する上で花屋を利用するシチュエーションを考えると、誰かにお祝いのギフトを送るシチュエーションが思い浮かびます。

 

それに合わせると花と一緒に送るギフトカードやラッピングのための雑貨、むしろギフトなら花だけでなく、もらって嬉しいモノがたくさん揃っていたほうがお客の立場から考えると助かるし、お店の立場から見ても商機が広がるというものです。

 

今、流通業の世界では業種店が衰退して、業態店がどんどん大型化しているのですが、この流れはサービス業、もとい士業の世界にも広がっていくのではないかなーと考えられます。

 

 

すでに大手の税理士事務所を見てみると、多数の専門家や多分野の士業部門を持ってワンストップサービスの方向へ向かったり、特定のシチュエーションに特化してサービス揃えてきている印象があります。

 

そこで、いきなり大規模な組織を作ることは出来ませんが、お客さまのスタイルやシチュエーションに合わせてサービスを揃えるという面で保険は士業と相性が良いのではないかと感じています。

 

税理士や会計事務所と生命保険の組合せは、すぐに思いつきますし、実践しているところが多いかと思いますが、他の士業では組合せられるものはあるか考えてみました。

弁護士×生命保険

税理士と被っていますが、個人の相続や法人の事業継承対策で、生命保険の提案ができそうです。

 

相続では誰がどんな資産を相続するかで揉めることがありますが、生命保険の保険金は受けとる人を指名することができますので、争いを回避することができる可能性があります。

 

社労士×自動車保険

就業規則など社内規程の作成は社労士の分野ですが、規定の中にマイカー業務使用・通勤規定というものがあります。

 

マイカーを業務や通勤で使用させていた場合、賠償責任が企業に及ぶ場合があります。

 

それは法律で決まっていることなので免れませんが、規定で任意保険への加入を義務付け賠償金の支払いは保険金を持って支払うことを決めておくことで企業のリスクを最小にすることができます。

 

規定は作っただけではダメで、従業員の任意保険が更新されているかや保障内容は十分かをチェックする運用も必要です。

 

このへんの保険の内容や規定の運用という点にも社労士へのニーズがありそう。保障内容のチェックと保険の提案がセットでできそうです。

 

社労士×生命保険、医療保険

生命保険や医療保険の保障内容を設計する際、国民健康保険など社会保険で受けられる保障内容を加味して、必要な保障額を算出します。

 

保障内容が重複していては、無駄な保険料を支払うことになってしまうからです。

 

必要な保障額も受けられる保障内容も考えかたや収入、とくにリスクを感じる病気やなどひとそれぞれ条件が違いますので、個人で最適な保障内容を決めるのはなかなか難しいという現実があります。

 

ですので、専門家へ相談したいというニーズは必ずあるのですが、社労士は社会保険のプロですので、これらと内容が重複したり近い分野の保険は相性が良さそうです。

 

ちょっと調べると社会保険の保障内容ってじつは案外手厚いことが分かります。信頼できる保険代理店の営業の方なんかはそれをちゃんとお客さまに伝えて保険を設計してくれますが、そうでないケースももしかしたらあるかもしれません。

 

その点、社労士の方が安心して相談できると感じる人がいることが想像できます。

 

行政書士×損害保険

行政書士の業務ですぐに思いつくのが、建設業許可をはじめとする許可申請の手続があります。

 

建設業でも飲食業でもこういった事業者向けの損害保険の商品があります。こういったものは相性が良さそうな気がします。

 

建設業であれば、機材の保険であったり、従業員などのケガを保障する保険があります。飲食業であれば店舗がありますので、火災保険は必ず必要でしょう。

 

お客の立場からみたら、許可書類の作成を通して、多くの企業を見ているであろう行政書士のような専門家のアドバイスは重みがあります。

 

保険の提案も受け入れられやすいのではないでしょうか。

 

まとめ。お客さまへ選択肢を提供

ほかにもたくさん士業が提案できる保険ってアリそうな気がします。

 

流通小売業の業態的な考え方でいうと、売り込みはご法度とされています。

 

あくまでお客さまにとって必要なものを揃えること。そうすれば、勝手にモノが売れていくという考え方が根底にあります。

 

士業の専門分野以外のサービスを探すという面でも同じように、お客さまにとって便利なサービスを見つけていければと思います。

 

お客さまへ選択肢を提案できること、これを目指したいと思います。