PPC・リスティング広告のキーワードを選別する手順とツール
アドワーズやプロモーション広告は、思いついたキーワードを都度登録するやり方ではほぼ間違いなく失敗します。アカウントを作る前に準備することが大事です。これで私も1回失敗しました。これからリスティング広告を始めたい人向けにキーワードの準備の仕方をまとめました。
キーワード収集と選別の手順
私はSEOでもPPCやリスティング広告でも、使うキーワードの集め方は
- ツールを使って、大量にキーワードを集める
- 集めたキーワードをサイトのテーマや利用目的に応じて選別する
この方法で、やっています。
キーワードの集め方については、過去の記事で書きました。
集め方は同じで大丈夫なのですが、その後の選別の仕方には違いがあると考えています。
今回はリスティング広告でキーワードの選別に使うツールの解説と、選別するときの手順について書きたいと思います。
キーワード選別は二段階に分けて行います
私は、キーワードの選別を2段階に分けて行っています。
第一段階では、大量に集めたキーワードの中から明らかに商材と関係のないキーワード、関係が合っても目的に一致しない不要なキーワードを除いていく、ざっくりとした選別を行います。
第二段階では、ある程度関係があるキーワードの中から、予算や戦略を考えながら強弱をつけて選別します。
キーワードの第一選別はExcelで行います
使うキーワードと捨てるキーワードを選別するのに特別なツールは必要ありません。集める段階である程度、関係のある言葉を集めていますので、そこから切り捨てるキーワードは目で見て頭で判断します。
キーワードの集め方についての記事を書いた時に、集めたキーワードを何に記録するかちゃんと書いてなかったのですが、Excelに記録して、Excelで選別します。
私は、このようなフォーマットのExcelファイルを使っています。
集めたキーワード列に、収集したキーワードをずらっと載せて、そこから使えるキーワード列と使えないキーワード列にそれぞれ振り分けていきます。
このフォーマットのポイントを記載しておきますが、Excelのフォーマット自体は自分が使いやすければ何でも良いと思います。いろいろいじってみてください。
ポイントその1 複数のツールで集めたキーワードを一旦まとめる列
集めたキーワード列です。複数のツールを使ってキーワードを集めると思いますので、一旦ここでまとめておいておきます。
ポイントその2 集めたキーワードの重複を削除する列
複数のツールを使って集めたキーワードの中には、重複するキーワードも発生していると思います。ここには、集めたキーワード列から重複を削除したキーワード郡を貼り付けます。
マクロを組める方は、マクロで重複を削除。組めない方は、並び替えをして重複している文字列を目で見て削除していきます。
ポイントその3 使える言葉だけでなく、使えないキーワードも残しておく
使えるキーワードと使えないキーワードを選別します。ここで、使えないキーワードも残しておくことも重要です。
特にPPCやリスティング広告で使う場合、コンバージョンに繋がらない余計なアクセスは極力減らしたいですので、使えないキーワード郡を除外登録すると効果的です。
ちなみにSEOの場合、余計なアクセスがあっても困りはしませんが、コンバージョンさせたいページに、使えないキーワードでアクセスが集まるようなことがないように、やはり選別は必要です。
Excelでざっくりとキーワードを選別する手順
上述のポイント1から3まで順に進めてください。
1,2の手順は機械的にコピペと、重複行の削除を行います。
3の手順で、使えるキーワードと使えないキーワードを分けていきます。
使える、使えないの判断は、検索ユーザーがその言葉を使ってどういう意図で検索したかを想像して判断します。
明らかにお客さんになりそうにない人が使う言葉を除いていくイメージです。
第二段階ではマインドマップを使います
マインドマップを使って、分かりやすく整理しておくと後でキーワードを使う時に便利です。
無料のマインドマップソフトであれば、XMindをおすすめします。
フォーマットは特になんでもいいと思いますが、下記図のように大量に集めたキーワードを種類別に分類しながら選別すると、見比べながらできるので取捨選択もしやすいですし、後で使うときにも役立ちます。
Excelでざっくりと選別したキーワードをマインドマップで細かく分類しながら、コピペしていきます。
マインドマップで整理する目的は3つあります。
- ざっくりと選別したキーワードに優劣をつけて管理する
- テーマや属性毎のキーワード郡に分けて管理する
- 予算に応じてキーワードを取捨選択する
キーワードに優劣をつけて管理する
リスティング広告の運用では基本的に、よくコンバージョンするキーワードの入札単価を上げ、コンバージョンしないキーワードは入札単価を下げるか出稿止めるかして入札額の最適化をしていきます。
どのキーワードが優秀かは実際にやってみないと分からない部分も多いのですが、はじめからある程度仮説を立てておいたほうが、後々の対応が楽になります。
入札額を上げるべきか下げるべきか判断する時に、やみくもにキーワードを登録していると判断が難しくなります。仮説に対して、もう少し高く、もう少し低くという風に考えられると判断がしやすいし、全体的な調整ができるようになります。
マインドマップにExcelからキーワードをコピペしたら、上から優先順位の高い順になるようにキーワードを並び替えていきます。
上の図で言えば、「税理士 金額」>「税理士 見積り」>「税理士 イケメン」の順になります。
テーマ毎にキーワードを分けて管理する
テーマ毎にキーワード分けておくと、この後リスティング広告の管理画面に登録した後の管理が楽になります。
細かく分ければ分けるほどいいという訳ではありませんので、見やすさと管理のしやすさを考慮して分けると良いです。このグループにはこんなキーワードが入っているというのが、テーマ名を見ればイメージできることが重要です。
キーワードを集める時に、親キーワードを決めていると思いますので、意味の似ている親キーワードをまとめていく感じで分けてけば、やりやすいと思います。
目安的には1000キーワードあたり、5~10個のまとまりができるくらいで分けてください。
意味の似ているものをまとめる具体例ですが、税理士業で言えば上の図のように、
「税理士」を含むキーワードと「士業」を含むキーワードでまとめます。
「税理士」グループには、「税理士事務所」や「会計事務所」もまとめてもいいかもしれません。運用上「会計事務所」を含むキーワードは特別扱いしたいなどの理由があれば、分けてしまって構いません。
その他には、「法人向けのキーワード」「個人事業主向けのキーワード」のような分け方でもOKです。
このグループ分けをリスティング広告のアカウント登録するときの、キャンペーンとして使います。
予算に応じて取捨選択する
優劣をつけて分類したキーワードをすべて使ってリスティング広告アカウント運用する訳ではありません。
予算が多ければ多いほど、たくさんのキーワードに対して広告を出稿できますが、予算が少ない場合はキーワードを絞り込んだほうが良いです。
キーワード広告には、ある程度入札単価を高く設定して上位に表示しないと効果が出にくいという側面があります。
予算が少ないのにたくさんのキーワードに出稿すると、ズルズルと少しずつ予算が消化されていくだけで、結果が出ないということになる可能性が高いですので、キーワードを厳選してメリハリをつけたほうが良いと思います。
マインドマップを使って、キーワードを整理する手順
Excelで使えるキーワードに分類したキーワードをざっと眺めて、おおまかなグループを想像します。
上の図の、「税理士」「士業」のように意味や属性毎に大きなグループを作って、Excelの行をその下に配置するようにコピペします。
コピペしたら、グループ内のキーワードに優劣を付けるために並び替えを行っていきます。上にあるものは優先的に予算を振り分けるキーワードということになります。
優劣の判断は、キーワードの検索数の多さやライバルの動向、検索ニーズが商品に合っているかどうかを元に決めていきます。
優劣はこの段階ではあくまで仮定なので、実際に運用してみて結果は変わることはあります。仮定を立てて運用するのとそうでないのとでは、結果を出すまでの時間が明らかに変わりますので、大事な作業です。
マインドマップで優劣を付け終わったら、最後に実際にリスティング広告のアカウントに登録するキーワードの選別を行います。
これは、予算や全体の予想クリック単価、必要なコンバージョン数に応じて、決めます。基本的には、優秀なキーワードを残し、コンバージョンに直接繋がりにくそうなキーワードを除外していきます。
予算が多ければ、多くのキーワードを残しても大丈夫ですが、予算が少ない場合はかなり厳選する必要があります。士業のようなコンバージョンしやすいキーワードのクリック単価が高騰している業界で、3~5万円くらいの低予算で運用する場合、100キーワードくらいまで選別した方が結果が出やすいと思います。
これも仮説に過ぎませんので、運用してみて準備の段階で捨てたキーワードを追加することもあります。その際にも、こうしてマインドマップで管理しておくと追加もしやすくなるのでおすすめです。
まとめ
リスティング広告のキーワード選別で、私が使っているツール、手順は以上です。
大事なポイントは、
- リスティング広告の運用に不要なキーワードを除外する
- キーワードの優劣についての仮定をたてること
- 後で管理しやすいように意味毎に分類すること
です。
第一段階では、大量に集めた雑多なキーワード郡の中から、自分のビジネスに関係のない言葉を除外する。
第二段階では、キーワードに優劣をつけて、後で管理しやすいように分類する作業です。
このような準備をしてから、リスティング広告を始めると効果が出やすいと思います。
私も最初は、とりあえずグーグルアドワーズのアカウントを作って、思いついたキーワードを都度登録するやり方から始めたのですが、途中で何をやっているのかよくわからなくなったりしました。
始める前に、仮定立てと準備をしてから、アカウントを作りなおしたところ、予算内で問い合わせもいただけるようになりました。
実際に効果のあったやり方ですので、ぜひ試してください。