検索連動型リスティング広告で成果の出た広告文の作り方
私は広告文を作るのは、結構好きです。頭から煙りがでそうなくらい頭をひねって言葉を絞り出すのでなかなか苦労しますが、ぴたっとハマった時に喜びを感じます。良い広告文ができると、クリック率に明らかな違いがでます。
広告文は大事。広告文がすべてではないが、比重は大きい。
検索連動型広告って、コンバージョンするかどうかは結局のところランディングページの出来次第なところがあると思います。コンバージョンさせられるページになっていないと、いくら広告の運用を適切に行おうがいつまでたっても結果は出ないんじゃないでしょうか。
じゃあ、ページが良くできていれば、広告の運用はだれがやっても同じかというとそういうことではなくて。
月何件増客したいかという目標と予算を決めて、限られた予算を適切に配分して目標達成に必要な人数をページに送客する技術(ページのコンバージョン率というのはだいたい決まっているので、何クリック必要かはだいたい計算できます。)、コンバージョンしやすいユーザーをなるべく安い単価で狙って集めてCPAを抑える技術などが運用担当者には求められます。
それは、
- キーワードの選定、
- 予算配分がしやすいアカウント構成(キーワードの分類)
- 広告文の作成
といった技術になろうかと思います。
検索連動型リスティング広告のテクニックは他にもいろいろあると思いますが、上の3つの比重が大変大きいと感じます。むしろこれだけ押さえておけばなんとかなるまであるのではないでしょうか。
その中でも広告分は、検索連動型広告からランディングページへ、検索ユーザーを送る最後のステップになりますので、特に重要と言えるかと思います。
どれだけ良いキーワードを選んでも、適切に予算を配分して掲載順位を調整しても、広告文でユーザーを惹きつけることができなければ、他の広告をクリックされてしまいますので。
広告がクリックされなければ、どんなに優れたページを持っていても、コンバージョンは生まれません。
広告文、大事。
広告文を作る時に明確に意識するべきこと
それでは、良い広告文の作り方について考えていきたいと思いますが、そもそも良い広告文って何なのでしょうか。
広告文を作る前に、良い広告文とはなにか?という定義をして、明確に意識して作ることがまず必要です。
簡潔に答えから書きますが、2つの考え方があります。
- ライバルたちの広告より、クリック率の高い広告
- コンバージョンしやすいユーザーを狙い打つ広告
大きく分けると良い広告文とはこの2つに分けることができます。
前者の「ライバルより、クリックされる広告」を作ると、
- クリック数を稼いで、コンバージョンが増える
- 品質スコアが上がって、CPAを低くすることが出来る
上記のような広告は、良い広告文としてイメージしやすいですね。ただクリックされればいいというわけではなく、品質スコアも上がるようにページとの関連性とユーザーの利便性も考慮した広告というところがポイントです。
後者の「コンバージョンを狙う広告」では、
- クリック率や品質スコアは、低くても気にしない
- その代わり、クリックする人はコンバージョンの見込みが高い
こんな広告も良い広告です。どんな場面でこんな広告が必要かというと、例えば「税理士」みたいなビッグワードです。税理士になりたい人、税理士に仕事を頼みたい人が混在している中で、税理士になりたい人にはクリックさせずに、コンバージョンにしやすい人を狙い撃てる広告文を作るイメージです。
品質スコアは上がらないかも知れませんが、コンバージョンの可能性の低いクリックを集めてしまっては結果的にCPAを悪化させます。こういう場合は品質スコアは低くてもOKです。
目的に応じて、良い広告文は変わるというところがミソです。得たい結果から逆算してそれに応じた施策を打つということですね。
広告文とランディングページの役割を意識して広告文を作る
もうひとつ意識すべきポイントがあります。
検索連動型リスティング広告の広告分にはシステム的な文字数制限があります。短いです。タイトルが全角で15文字、本文は1行19文字×2行です。この中でお客さまに伝えたいことの全てを伝えるのは無理があります。
だからといって、すかすかの広告文ではクリックされませんので、アピールできることは出来る限り詰め込むべきなのですが、広告文で伝えることと、ランディングページで伝えることを分けて考えるという視点は必要です。
要するに、短い言葉でアピールできる分かりやすいことを広告文に詰め込むということです。短い言葉で説明すると意味が通じないことは無理して広告文に入れず、ランディングページで説明するべきです。
問い合わせに繋がる広告文の作り方
では、具体的な広告文作りの話に入ります。
文字数は制限ギリギリまで使う
グーグルアドワーズでは、デフォルトで12文字までの制限ですが、広告文を作る時に下記ページに書いてあるとおりに設定すると文字数制限の上限を増やすことが出来ます。
About longer text ads for Eastern Europe and Asia - AdWords Help
上限を増やしても広告文は短いです。この短い枠の中で検索ユーザーにアピールをしなければ行けませんので、広告文は文字数制限ギリギリまで使用するべきです。
例えば、2文字あまっていたら「無料」という超強力な文言を入れられるスペースが空いています。作った広告文に文字数あまりがあったら、もっとアピールできることがあると思うくらいで良いと思います。
1文字あまりはしょうがないと思いますけどね。
キーワードをタイトルに入れる
超基本的なことなので、これは絶対にやるべきです。
キーワードがタイトルないし本文に含まれていると、ハイライト(太字)表示されます。検索した人にとっては、自分の知りたい情報が書いてある様に見えるので、クリック率を上げる効果があります。
「会計事務所」というキーワードに、「税理士なら~~」みたいなタイトルを付けるのはとてつもなくもったいないことだと思います。
逆に、ライバルの広告文を調査して、キーワードがタイトルに入っていなければ、プロの仕事ではない可能性が高いので、狙い目かもしれません。
ひとつ注意点として、地名キーワードを無理に入れるのは逆効果の場合があります。例えば、新宿に会計事務所を構えていて、「渋谷」というキーワードにも出稿する場合、「渋谷の会計事務所」とタイトルに入れるケースです。
これだとクリックした人からしてみたら、ダマされたと感じる可能性があります。実際には渋谷と新宿の距離だと許されそうな気もしますが、入れるとしても誤解されないように工夫して入れた方がよろしいかと思います。
私はこのようなケースでは、「新宿の会計事務所」というタイトルで「渋谷」というキーワードに出稿しています。それが原因で品質スコアが下がるということはないと結果からは感じます。
抽象的な言葉を排除する
抽象的な言葉は、クリックされ辛いと感じます。具体的で証明が可能なことを書いてある方がよい広告文だと思います。(これはBtoBビジネスに限って、ということになるかもしれません。女性向け商材や食品関係なんかは、抽象的な装飾語がよく使われています。)
士業関係だとよく、
- 「親しみやすい」
- 「お客様視点の」
- 「信頼の」
これらの抽象的な言葉を広告文でよく見かけますね。抽象的な言葉は、実際にそうだとしても、心構えや気持ちの話しですので、広告文を読んだ人には伝わりづらいです。
検索ユーザーは、検索結果に表示された広告やウェブページの一覧から自分の疑問や知りたいことの答えに一番近そうなものを見比べてクリックをします。抽象的な言葉ではその時、ライバル達との競争に負けてしまうということです。
広告分に抽象的な言葉が含まれていたら、具体的な言葉に置き換えてみましょう。
抽象的な言葉でしか表現できないことや、具体的にすると文字制限に収めきれないことは、もしかしたらページで伝えるべきことなのかもしれません。抽象的なことは写真やイラストを含めて説明すると伝えやすいです。
抽象的な言葉を書くくらいだったら、サービス内容を羅列した方が効果的だと思います。「風営法許可、入管、相続、遺言、相談無料」みたいな感じです
数字で表現する
具体的に書くテクニックのもう一つは、数字で表すことです。
- 実績多数→実績500社
- 低料金で→月額3000円で
数字で表現できるところは数字を使いましょう。
数字を書くとき半角にするか全角にするか悩むところですが、可読性を重視して、私は全角を使うようにしています。
漢字、数字、ひらがなをバランスよく配置して、読みやすくする
最後に、文字のバランスにも気をつけます。特に士業の広告文ですと、漢字ばかりを詰め込んだ中国語のような文章になることもあります。検索ユーザーからみて、読みづらくなっていたらクリック率は下がります。
漢字とひらがな、それと数字をバランスよく配置して読みやすくするとクリック率が改善したことがありましたので、文章のリズムというか、読みやすさにも考慮したほうが良い広告文になります。
まとめ
広告文は検索ユーザーをページに誘導するための最後の砦ですので、時間をかけて吟味して最高の広告文を作りつもりで作ってみてください。
作ってみても、実際に運用してみると思ったよりクリックされないということは普通にあります。その場合はまた改善して広告文を作りなおせば良いだけです。
私の運用している税理士事務所のアカウントでも、主力キーワードの広告文は、運用を始めてから複数回、広告文を作りなおしています。
広告文の改善の仕方は、また別の機会でエントリーを書きたいと思います。