会計事務所のリスティング広告担当者が広告文の最適化でやったこと
リスティング広告の広告文は、作ったら終わりではありません。むしろ出稿した後の反応を見ながら改善していくことこそが重要です。そこで、広告文の最適化でやったことをまとめました。
品質スコアに最も影響すると思われる広告文の最適化でやったこと
今現在、私が管理している会計事務所のリスティングアカウントの主力キーワードの品質スコアは8~10がほとんどです。
品質スコアが高い数値になった要因は、いくつかあると思います。
その中で一番影響力の大きいのが、広告文の良し悪しだと感じています。広告文を改善していくに連れて品質スコアも上がっていきました。
そこで、今日は広告文の最適化でやったことをまとめてみます。
広告文は書きなおしてなんぼ
吟味に吟味を重ねて作り上げた広告文も、出稿してみたら案外クリックされないということは普通にあります。
あくまで出稿前に考えたことは仮説に過ぎませんので、現実に起きた結果に合わせて最適化することが重要です。このことは広告文の書き方についてのエントリーでも言及しました。
広告文を見なおすべきクリック率
まず、クリック率がどれくらいあれば合格なのかについてですが、業界や商材によって、想定されるクリック率は変わりますので、一概に言えるものではありません。
基本的には、購入頻度が高くて値段が安い商材の方がクリックされるでしょうし、値段が高くて購入頻度が低い商材は前者に比べてクリック率は下がるかと思います。また、購入頻度が低くても緊急度の高いものはクリックされやすいでしょう。ガラスが割れて修理業者を探しているとかのケースです。
一概には言えないという前置きをしたうえで、士業関係であれば1%くらいを目安にすれば良いのではないでしょうか。私はそうしています。それと、品質スコアも参考にしています。品質スコアの決定要因の中で、広告のクリック率は影響が大きいと思いますので。(1%以下でも、品質スコアに悪影響がでていなければOKとみなすということです。)
広告分を見直すタイミング
検索連動型リスティング広告は、表示回数やクリック数、クリック率といった数値が正確に記録されます。
ダイレクトメールやチラシのようなものは、お客さんからのリアクションを受け取れるので、まだ効果が計測ができる部類の広告ですが、テレビCMなどはどれくらいの効果があったのかが計測しづらい広告です。
この計測のしやすさがリスティング広告の最大のメリットでもあります。そのメリットを活かすために、広告文の見直しであれば主にクリック率という数値を見て広告分を見直すべきかどうか判断します。
ただし、判断の根拠となるクリック率が信頼できる数値であるかどうかは考慮しなくてはなりません。
確率というのは、試行回数が多ければ多いほど収束して正確になります。コインの裏表で考えても、3回連続で表が出る場合もありますが、何百、何千と繰り返すと2分の1に近づいていくというアレです。
では、何回繰り返せばコインの表がでる確率が2分の1と証明できるのでしょうか。
そこで、「統計優位」という言葉が出てきます。偶然ではなく、この確率で起こると認められるという意味で使います。
難しい計算式の解説はしませんが、計算すると、クリック率を1%と仮定して、1500回表示して、やっと誤差±0.5%の範囲に収まります。(収まる確率は95%)
計算式の解説は、リンク先のサイトが分かりやすいかもしれません。興味がある人はみてみてください。
同サイトのサンプル(試行回数)と反応率の誤差範囲の早見表ですが、これをみると広告が500回表示されて、クリック率が1%の時、0.87%の誤差があります。(信頼度95%)
https://www.post.japanpost.jp/dmfactory/tool/sample05.html
統計的に信頼できる数値までの試行回数はかなり多いということが伝わったでしょうか。
広告文最適化のタイミングで注意する点としては、一日の結果だけをみて一喜一憂しない、ということが挙げられます。士業関係のキーワードですと一日の検索回数はそれほど多くないと思いますので、ある程度サンプル数が貯まるまで我慢して待つことが必要です。
(私は管理画面を見るのが好きなので、毎日チェックしてしまってましたが...)
逆に、検索回数が多くないからこそ、現実的にはもっと早いタイミングで判断する場合もあります。検索回数が少ないと、いつまでたってもサンプル回数が集まらないからです。その場合は、試行回数100~300くらいで判断します。
私の場合は最初のうちは、品質スコアが下がったキーワードの広告文を変更し、サンプル数がたまってから想定されるクリック率にみたない広告文を変更して最適化を進めていきました。
広告文最適化のやり方 A/Bテストはやるべき?
テストのやり方としては、A/Bテストを行うのが一般的です。
既存の広告と、改善して新しく登録した広告を同じ条件で出稿して、クリック率などを比較し、評価するテスト方法です。
これは王道のやり方なのですが、士業の場合ただでさえ少ないサンプル数が2分割されるようなものなので、必要なサンプル数を集めるのに時間がかかりすぎる場合も多いです。
私の場合、クリック率が想定より低いと判断した広告については、A/ Bテストなしで広告文を変更していきました。
ただ、テストなしでの変更ですが、広告文を全く新しいものに変更するのではなく、一部分のみ変更して反応を伺うようにしています。
まったく新しい広告文に刷新してしまうと、どの部分の表現が悪い、どれが良かったという判断ができません。変更前の広告分と比較できるように広告分を作り直すようにしています。
この表現に反応が良い、というものが見つかれば他の広告文にも取り入れることができるので、使い回しを意識して広告文の改善を行うようにすると良いと思います。
広告文最適化のやり方 タイトルイン
タイトルインは、特に品質スコアが下がった広告文に有効だと感じました。地名キーワードについては、所在地以外の地名にむりやりタイトルインをするようにしていないのですが、一部の地域で品質スコアが下がってしまったキーワードと広告文がでてきました。
そこで、表現を工夫してキーワードの地名をタイトルインさせるか、無理だった場合は広告文に入れるようにしたところ、クリック率も品質スコアも改善することができました。
また一つの広告グループに複数のキーワードを登録している場合、タイトルインしていない場合もあるかと思います。タイトルインしていないことで悪影響が確認出来る場合は専用のグループを作って、タイトルインさせるようにすると良いと思います。
広告文最適化のやり方 スマホ用広告の登録
出稿した後に気がついたのですが、スマホの割合が3割近くあったので、スマホ用広告文を登録しました。
広告文を作成するときにこのチェックボックスにチェックするとスマホ用広告になります。
そして広告分に、「スマホに対応したページである」ということが伝わる文言を入れるようにしました。
Googleのアップデートでスマホ対応したサイトにはそれがわかるラベルが貼られるようなので、効果はいずれなくなるかもしれませんが、表示回数と訪問ユーザーの割合から考えるとクリック率が高いので効果はあるのではないかなと思っています。
広告分を書くときの考え方
広告文を最適化する場合でも、書き方の考え方は、最初に作った時と同じです。
具体的にわかり易い言葉で、リズムの良い文章を書くという点につきます。
広告文の最適化で行ったことは以上です。
自分の頭で考えたことはあくまで仮説です。出稿した後の反応が全てですので、反応が悪ければ仮説を修正して、別の広告文を作ることはまったく悪いことではありません。
むしろいきなり上手くいくことの方が少ないのではないでしょうか。
リスティング広告はちゃんと最適化をしてあげれば、成功するものだと感じます。
この記事がみなさんのアカウント最適化の役に立てば、嬉しいです。